システム開発 System Development

印刷業株式会社 中央商会様 カレンダー受注システム

受注量増加に必要なのは、WEB受注だけじゃない。
生産管理との統合で作業効率を図る

名前入りのカレンダーを格安で販売し人気となっている株式会社中央商会様。この受注増加にはWEB受注が不可欠との判断から、独自システムの開発依頼がありました。カレンダーは主に年末のあいさつに使われる季節商品のため、秋から冬にかけて受注が急増します。それまでFAXで受注し、校正はメールやFAXで行っていましたが、一時期に作業が集中。工程管理にも改善の余地があるのではと考え、WEB受注に加え、工程管理や出荷状況、領収書発行をすべて一元管理できるシステムを提案し、受注拡大に貢献しました。

業種印刷業
導入システムカレンダー受注システム
開発期間2カ月
詳細を見る

背景顧客の要望に応えながら、受注件数をアップしたい

わが社で扱う人気商品のひとつに名前入りのカレンダーがあります。これは主に保険会社の外交員さんが注文するのですが、ハガキサイズの12枚のカレンダーに表紙がついたもので、それぞれに名前を入れることができます。名入れでありながら、1部100円からという格安の価格設定が人気の理由です。

この注文はこれまで、FAXを活用していました。そして校正はFAXかメールに添付されたデザインファイルを確認するようになっていたのです。これでは外交員さんは事務所や自宅に戻ってからしか作業ができず、決して使い勝手のいいものではありませんでした。実際に「やりづらい」との声も聞かれました。

この校正作業は営業担当者の負担にもなっていて、一時期に業務が集中するため作業がスムーズに進まなかったり、ミスの原因になったりすることもありました。さらに生産部門では、FAXを見ながらデータを作成するため手間もかかり、ミスも多く発生しがちで受注数に限界があり、受注システムの導入を検討することになりました。

要望WEB経由での受注ルート確保に生産管理をドッキングしたい

独自システムの開発において要望したポイントは受注件数の増加です。そのためにインターネット経由での受注を可能にしたいこというのが当初の希望でした。もちろん受注に加え、校正をはじめとした一連の流れもWEBを活用することで簡便化できると思ったわけです。

この要望を伝えたところ、生産管理システムもあわせて導入してはどうかとの提案がありました。それまでの生産管理はExcelで行っていたため情報の共有に限界があり、さまざまな場面で流れが滞りがちでした。確かにこれを改善できれば作業効率を大幅に上げることができ、さらに受注数も増やせそうだと思い、トータルでの開発を依頼することにしました。

具体的なシステム要件とご提案内容

[ご提案内容]
  • WEB受注を行うシステムに加え、生産管理システムを導入すること
  • 受注拡大に耐えうる生産環境のお手伝い
  • 営業部門と生産部門が、それぞれの役割に専念するための仕組み作り
[システム要件]
  • オーダーシートの出力
  • 自動組版レイアウトシステム
  • WEB校正システム
  • 受注進捗、登録
  • 出荷情報の出力システム
  • 領収書発行システム
  • 受注情報問い合せシステム
  • 工程レポートの作成

導入したシステムの概要

導入後の評価

<顧客とのやりとり>

これまでは営業担当者がメール文を作成し、個別に連絡をしていましたが、必要な場面で自動的にメールが送られるシステムになったため、大幅な時間の短縮になっています。時間的な余裕ができれば、校正の返事が来ない顧客に確認を行うなど、きめ細かな対応ができるほか、新規顧客開拓につなげることもでき、非常に満足しています。

また校正はWEB上でできるようになったため、スマートフォンなどがあれば、どこからでも確認が可能です。修正も簡単に連絡できるようになり好評のようです。またスピードアップにも貢献しています。

さらに問い合せがあった時、これまでは担当者にしか状況が分からず、折り返し連絡するしかなかったのですが、システム上で状況を把握できるようになったことで、スムーズな対応ができるようになったのも大きなメリットです。

<製作の流れ>

WEB経由で注文が入った場合でも、FAX受注と同じように申込書が出力される仕組みになっています。受注にあわせて生産現場が対応を変える必要がないため、ストレスや作業のモレがありません。

さらに、WEB経由の注文は、お客さまが入力したデータを使って自動的に組版ができるため、レイアウトチェックを行えばいいだけの状態になっています。これにより作業量が大きく減少したのはもちろんですが、入力ミスもなくなり、大幅な作業量のカットになりました。

<生産管理>

生産管理をシステム上で行うようになり、誰でも状況が把握できることに加え、受注数や売上レポートを簡単に作成できるようになりました。これまで全体把握に時間がかかるために、なかなか積極的に動けなかった面もありましたが、タイムリーな対策を立てる際にも大いに役立つものと期待しています。

ポイントFAXとWEBからの受注で煩雑になりがち生産現場の掌握に、生産管理もあわせてシステム化

今回のカレンダー受注システムの開発にあたって、クライアントの要望はWEBによる受注を可能にすることでした。その背景をヒヤリングしたところ、受注数の拡大という目的があり、その実現のためには今後FAXからの受注とWEBからの受注が混在すると予測。そうなると煩雑になりがちな生産現場の掌握に、生産管理もあわせてシステム化する方がいいのではと思い、提案に至りました。

私は印刷会社のシステム担当をしていたため一連の流れや業務改善のポイントを把握していたことも今回の提案に活かせたと思います。

WEB校正は、外出先で行うことも考え、パソコン、スマフォ、タブレットのどれでも表示できるよう、レスポンシブデザインを採用しました。また名入れといっても、封筒への印刷の有無や会社名の有無など、細かいニーズがあります。画面上には、その希望にあわせた項目だけを表示するようにするなど、ユーザビリティも重視しています。

生産管理では、営業部門と製造部門の情報共有化を可能にしたことで、商品の状況が個別に分かるようになったほか、印刷や検品を必要とするカレンダー総数の把握が簡便になり、モレのない作業にも役立っています。

印刷物のWEB受注システムを導入したい企業さまへメッセージ

今や印刷物のWEB受注は欠かせないものになっています。これは顧客の利便性を向上するだけでなく、製作企業側の作業も大幅に圧縮できるメリットもあり、作業効率の向上による売上アップを見込めます。

とはいえ、企業には長年培ってきた作業の流れや仕事の分担、顧客への対応方法などがあります。これを無視して、画一的なシステムを導入してしまうと、それぞれの企業の持ち味や個性も失うことになりかねません。

システム開発は、企業の文化はそのまま残しながら、手間をできる限り簡略化してこそ意味があると考えています。その実現には、独自システムの構築が必要不可欠。ご興味がある企業様は、まずはお気軽にお問い合せください。

必要な機能や要望は、各企業様へのヒヤリングを実施した後にまとめるため、実用性の高いシステムを構築することが可能です。また使い方に関しては、マニュアルを作成した上で導入時に操作説明をしますので、どなたでも操作していただくことができます。

使用する中で、新たな機能を追加したいときや要件の変更がある場合、オリジナルプログラムであれば速やかな対応も可能です。必要であれば、保守管理もあわせて請け負うことも可能となっています。